妊娠をすると変化の連続で、心身共に不安定になりやすいですよね。
妊娠期間は赤ちゃんを育てているだけではなく、出産の不安に備える期間でもあります。
「出産には体力が必要と聞くけど、どんな運動をすればいいの?」
「体を動かしたいけど、つわりがひどくて運動ができない」
そんな方に向けて、妊娠中におすすめの運動、妊娠期間別と体の状況に応じて紹介します。
妊婦さんは運動不足になりやすい
妊娠するとお腹はどんどん大きくなり、立っているだけで疲れてしまいますよね。
つわりがひどい場合には、立つこともできないことがあります。
そうすると、一日の多くを座ったり横になったりして過ごすことになるため、運動不足になります。
妊娠初期は母体も胎児も不安定なため、家族や友達など周囲から安静を促されることも多いです。
もちろん休むことも重要ですが、出産に向けて必要な体力をつける必要もあります。
自分の体と相談して、動ける日は体を動かしてみましょう。
妊婦さんが運動できるベストタイミングは妊娠中期から
妊娠期間は大きく分けて3つあります。
母子ともに不安定で重要な時期の「妊娠初期」。
安定期と呼ばれる「妊娠中期」。
お腹が大きくなり重たくなる「妊娠後期」。
妊娠初期はつわりに苦しむ妊婦さんも多くいます。
しかし、中期に入れば初期流産のリスクも減り、つわりや心身の倦怠感が収まる妊婦さんも多いです。
運動することを自分で判断するのが不安な方、過去に切迫流産や切迫早産を経験した方はお医者さんに確認してみてください。
妊娠中の体調は人それぞれなので、体調がよくないときや不安があるときは無理せず休みましょう。
妊婦さんが運動するメリット4選
妊婦さんが運動することによって得られるメリットは、以下の4つです。
- 適切な体重管理
- ストレス発散
- 便秘予防
- 妊娠に必要な体力づくり
それぞれ詳しく紹介します。
適切な体重管理
妊娠中は運動不足になりやすい上に、食べつわりや偏食で通常よりも体重が増えすぎてしまうこともあります。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの病気を引き起こしたりする場合も。
予防のためにも適度な運動をし、意識して体重管理をしなくてはいけません。
ストレス発散
妊娠中は心身や食生活の変化がとても大きいです。
思うように動けなかったり制限されることが多くなったりと、何かとストレスが溜まります。
特に、妊娠前に運動をおこなっていた方は、今までできていたことができなくなると大きなストレスになります。
心と体は繋がっているので、適度に体を動かしてストレスを発散させましょう。
便秘予防
運動をせずに家の中でじっとしていると代謝が促されなくなります。
更に妊娠中はホルモンバランスも変化し、腸のぜん動運動を抑えてしまいます。
つわりにより食事や水分が十分にとれないことも便秘の原因です。
妊娠後期では、大きくなった子宮が大腸を圧迫して便秘を引き起こします。
便秘になりやすい妊娠期間は、体調が良い日には水分をとりながら体を動かしましょう。
妊娠に必要な体力づくり
出産はどのくらいの時間かかるかわからないため、体力が必要です。
体力は産後の回復度にも影響するため、重要になってきます。
出産を乗り越えても、産後の生活は慣れない育児で生活リズムが崩れたり、夜泣きで睡眠時間が少なくなったりします。
ハードな生活が続くので、今のうちに体力をつけておきましょう。
妊婦さんにおすすめの運動
妊娠中の適度な運動習慣は、出産や育児に必要な筋肉や体力を作ることが出来ます。
出産時には体力は必要なので、安産への助けになります。
産後のからだの回復にも繋がるので、一石二鳥です。
妊婦さんには、脂肪燃焼効果のある運動と、体力がつく有酸素運動がおすすめです。
いずれも始める前には医師に相談してからにしましょう。
ウォーキング
専用のウェアや靴もいらないので、準備をすることなく思い立ったらすぐに始められます。
日常に一番取り入れやすく、妊娠中の体へ負担も少ない運動です。
運動が苦手な方でも、普段の通勤や買い物など生活の中に気軽に取り入れられます。
背筋を伸ばしていつもより歩幅を大きく腕を振り、いつも歩くペースより速く歩くとより効果的です。
60分以内を目安におこないましょう。
全身の血行がよくなり、妊娠中に起きやすい肩こりや腰痛、便秘なども改善されますよ。
歩くことで頭の中がスッキリしてストレス解消にも繋がります。
スイミング
水中での浮力を利用できるので、お腹が大きくなった妊婦さんでも赤ちゃんの重さをあまり感じずに体を動かせます。
水の抵抗があるので、陸上での運動に比べて負荷がかかりやすく、効率的にトレーニングできます。
マタニティ用の水着が必要になりますが、プールによってはレンタルしてくれるところもあります。
泳げない人は、水中でのウォーキングやエアロビクス、ストレッチも効果的です。
医療機関の主催する施設やスイミングスクールで開講している場合もあるので、確認してみてください。
マタニティヨガ
妊婦さんの体調や体型に合わせてメニューが組まれているため、体を動かすのが不安という方でも安心して受けられます。
出産に必要な筋力や呼吸法、腰回りの柔軟性が身につきます。
妊娠中にマタニティヨガを続けていると、産後の体の回復を早めるともいわれています。
つわりやホルモンバランスの乱れで心が落ち込んでいたという方も、赤ちゃんとのつながりを感じることで心が落ち着けますよ。
滑らないように、必ずヨガマットを使用してください。
また、食後すぐに体を動かしてしまうと気持ち悪くなってしまう方もいるので、食後2時間以上あけておこないましょう。
低血圧を引き起こす場合もあるので長時間横になったり、じっとしたりするポーズは避けてください。
ヨガの中でも、温度と湿度が高い状態でおこなうホットヨガは、脱水症状や貧血など子宮に負担がかかりやすいので注意が必要です。
妊婦さんが避けた方がいい運動
出産に必要な体力をつけるためにとにかく体を動かさなきゃ!と思うかもしれませんが、体を動かせばなんでもいいというわけではありません。
妊娠中は体の変化が大きいため、いつも以上に気を付けなくてはいけないのです。
妊婦さんが避けた方がいい運動について詳しく紹介いたします。
けがをしやすい運動
妊娠中は大きくなったお腹で足元が見えづらくなります。
お腹が重くなることで体のバランスも変化するので、転びやすくけがに繋がりやすいです。
ウォーキングをするときも、壁側を歩いたり、慣れている道を歩いたりとけがをしないように意識してください。
なるべく緩やかな動作を心がけ、相手と接触するようなスポーツも避けましょう。
ジャンプしたりお腹を圧迫したりする運動
高くジャンプをする運動や、お腹に何か当たる可能性がある球技も避けましょう。
スキューバダイビングやスカイダイビングも、妊婦さんと胎児ともに悪影響ですので避けてください。
標高の高い場所での運動など、気圧の変化が大きくなる場所へは妊娠中はいかないようにしましょう。
妊婦さんの運動時間の目安は週に150分
アメリカ産婦人科学会によると、妊娠中は週に最低150分の中強度の有酸素運動が理想的です。
中強度の運動とは、ウォーキングしながら何とか会話ができるくらいのペースで、1分間120歩程度です。
1日30分の運動を週5回おこなってもいいですし、1回10分の運動をこまめにおこなっても良いです。
絶対に150分行わないといけないわけではないので、体調と相談しながら運動をしましょう。
最初は時間をとることが難しかったり、やる気が出なかったりするかもしれませんが、習慣化していくことが大切です。
妊婦さんが運動をおこなうときの注意点
健康になるための運動なので、運動をして体調を崩してしまっては元も子もありません。
お腹が張ってきたり気分が悪くなったりしたら、無理せず休むようにしましょう。
妊娠中は脱水症状が起こりやすいので、いつもよりこまめに水分補給をしてください。
更に、体が出産に備えて血液が固まりやすくなっているので、むくみや血栓が起こりやすくなっています。
暑すぎたり寒すぎたりするのは体に負担がかかるので、気温が高かったり低かったりする日は無理して外に行かず、室内でできる運動をおこないましょう。
外で運動する場合には、万が一に備えてスマホと母子手帳を持っていくと安心です。
妊娠前からおこなっている運動も強度を下げる
妊娠前から趣味として運動をしている方は、妊娠したからと言って運動をやめてしまうとストレスを感じてしまいますよね。
妊娠前からおこなっている運動は、経過に異常がなく医者からの許可があれば続けることが出来ます。
しかし、運動の強度は抑えるようにしましょう。
激しい運動や長時間運動を続けると、筋肉での血流が増えます。
その分子宮の血液量が減り、おなかが強く張ってしまう子宮収縮を起こすリスクがあります。
妊娠中は妊娠前と比べて、できることも気持ちも変わってきます。
運動をして体を鍛えるというよりも、運動をして楽しむことを大切にしましょう。
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妊娠中のつらい症状や慣れない生活で不安になる気持ちを、ヨガを通して少しでも緩和できたら嬉しいです。